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2015年1月4日日曜日

続・オーリンの起業家教育

過去、オーリンの起業家教育という投稿で当校のアントレについて触れました。

最近、立て続けにこのテーマについて質問を頂いておりますので、もう少し丁寧に当校のアントレ概要について整理させて頂きます。

▪️中心教授と組織
Holekamp教授がアントレ科目の責任者となっており、Center of Experimental Learning(通称:CEL)という部署と連携してExperimental Learningの機会を提供しています。

▪️授業の体系
Introduction to Entrepreneurship(セメスター通期:4ヶ月)
アントレの授業の導入編として大変人気があります。Holekamp教授の講義、中西部起業家によるゲストスピーカーセッション(週一回)、学生による新規事業立案コンペ、の大きく3つから構成された授業です。全てのセッションが有機的に繋がっており、体系的に学べる科目です。

この授業を導入として、
・Venture Advising
・Hatchery
・Practicum, Taylor Community Consulting, International Practicum
・Olin Board Fellows
という発展科目に広がっていきます。
(注:必ずこの導入科目を取らなければならないというわけではありません)

▪️発展科目
Venture Advising
当校が提携するVCファームから投資先スタートアップ企業に対するコンサルティングのお題をもらって、学生のチームが現地に赴いてソリューションを提供するという形式の授業です。ロケーションは、ハンガリー、イスラエル、セントルイス。

Hatchery
学生がビジネスプランを考えて地元の起業家とともにそれを具現化していく形式。毎年Olin Cup(実際に資金調達が約束される)というコンペがありますが、その勝者はHatcheryから生まれているケースも多い。
ご参考:記事

Practicum, Taylor Community Consulting, International Practicum
CELという部署は、対外的な窓口となり、企業やNPO団体から半期毎にコンサルティングのお題を集めてきます。期初に発表されたお題に対して学生が申し込みをしてチームが組まれます(人気が集中するお題は選外になる可能性もあります)。お題のタイプは、ファイナンス、マーケティング、組織など多岐に渡ります。Practicumが企業向けで、TaylorはNPO団体という整理です。また、年に一回、春休みの期間を利用したInternational Practicumというものがあります。文字通り、Practicumの海外版で毎年欧州を中心に行われています。コンセプトはPracticumと同様です。

Olin Board Fellows
これは、地元企業及びNPO団体の社外取締役に就任してコンサルティングサービスを継続的に行うというものです。期間は1年です。他のPracticumが長くても4ヶ月程度というものですのでこのFellowプログラムはより長期かつ大きな責任のもとにアウトプットをしていく必要があるということで、なかなか骨が折れると聞いております。友人がNPO団体の社外取締役になっておりましたが、定例の取締役会議に加えて、他の役員からの特命の宿題をちょこちょこもらったりしていて大変そうでした。


よくベンチャーを育てる環境を語る際に、エコシステムという言葉が使われますが、オーリンの起業家教育についても、企業やNPO団体との連携を非常に密にした、学校と実社会が一体となって問題を解決していくというコンセプトの下、授業が構成されていると感じています。