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2016年3月9日水曜日

Corporate Social Responsibility / 経営の本質

CSRと聞くと、ボランティアとかを連想する人も多いかもしれない。

かく言う自分も、御多分に洩れず、そう思っていた。

しかし、このCorporate Social Responsibilityの講義を受けてからは、CSRというのは、実はもっと話としては深くて経営者としての本質に迫るものではないかと思うようになった。

この講義では、成長を追求する過程でステークホルダーからクエッションマークを突きつけられた企業のケースを中心に学ぶ。

背景理論としては、Simon ZadekThe Path to Corporate Responsibilityという論文を使用。その中で紹介されているThe Five Stage of Organizational LearningThe Four Stage of Issue Maturityというフレームワークを活用してそれぞれのケースを検証。

ケースは、GMリコール問題、ジョンソンエンドジョンソンタイレノール混入事件、IKEA Child labor問題、エンロン事件(オリンパス事件との対比)、NGOとの関わり方(Shell Oil油田開発、Monsanto遺伝子組み換え食品)、H&Mバングラディシュ工場火災等。

それぞれのケースにおいて共通している事は、難局に直面した時に、企業はステークホルダーとの対話を通じて、自身の存在意義を自問自答し、長期的かつ広範な目線で解決策を立てていくこと。また、その過程では必ずキーパーソンとなるリーダーがいること。

リーダーとして求められることは以下の通りと理解した。
  • オープンな組織を作ること:ネガティブな情報ほど組織内に滞留する。まずはリーダーからオープンな姿勢を示し、組織を活性化させていく。
  • 高い倫理観を持つこと:事業を広く展開していくと、様々なコンフリクトを抱える事になる。どのステークホルダーに対しても常に公平、公正を貫き疑念を抱かせない努力が肝要(すぐに解決出来ない場合であっても、いかにコンフリクトを解消していくかのビジョンを示せるかが重要)。
  • 多くの可能性を予期する力:顧客だけを見る、株主だけを見るというのでは不十分。社会の変化や自社の事業展開の範囲に応じて、いつ誰が、自社のステークホルダーになるかということも決まっていない。自社のビジネスが影響を及ぼす範囲とその影響度合いを把握し、それぞれのステークホルダーがどのような印象を持つか(反応を示すか)について多くの可能性を予期出来なければならない。

勿論、これは一朝一夕に身につくものではない。重要なことは、日頃から高い意識を持って、こうした視点を踏まえて考える癖をつけて、行動に繋げていくことだ。また、考える対象は、自分の職務、自分の会社、競合他社、他業界、何を材料としてもいいと思う。

多様な価値を受容することの出来る想像力と長期的かつ大局的な見地からの判断力・行動力が求められている。