washu

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2014年11月10日月曜日

MBAよりも本質的なこと

約1年半、MBAコースに通ってみておもうこと。

「MBA、だから何なんだ?」ということ。

MBAを取ったからえらいのか、すごいのか?

確かに、体系的に経営手法を頭にインプットして、頭の中に見出しというかインデックス的なものが基礎として出来上がってきたので、これから色々なことを勉強する上で、その基礎の上に積み上げて行けばいいんだと思える様になった。

でも、一方でMBAを取る事がゴールではないし、取得する事自体は、何にもすごくないんだと思う(卒業まであと半年ありますが)。

実際、ファイナンスやマーケティング、統計などのハードスキルは学べば誰でも分かるし使える様になる。

もっと言えば、そういう経営管理手法に絡むテクニカルな話は、将来的にはその大半がコンピューターやロボットで代替出来るようになるとさえ思う。

また、ケーススタディで色んな企業の意思決定を学んだからといって、これからの人生の中で、ドンピシャに似てる局面なんて稀だと思う。(勿論、ケースを通じて意思決定の練習をするという効果もあるかもしれませんが、正しい意思決定とそれを実現する為の実行力は、また別の話だと思う。)

MBAのコースを3分の2くらい終えた時点で強く思う事。

組織をマネジメントする上で、もっと大事な事は、人格を磨くということなんだと思う。

言い換えれば、どう生きていくかのベースとなる価値観を磨いていくこと。

この価値観がしっかりしていれば、どんな局面においても逃げだすことなく、責任を全うする事ができる。

プレーヤーからマネージャー、ディレクター、エグゼクティブへとポジションが上がる毎に変わることは報酬と責任。

個人的には、報酬はさておき、責任が重要だ。

リーダーとして部下の人生を一緒に背負い込む覚悟が必要だ。

リーダーには、その地位に見合った責任と義務が生じる。あまりにも有名な言葉だか、これを「ノーブレス、オブリージュ」という。他人の為に尽くす。悪い時は矢面に立ち、良い時は後ろに下がる。謙虚さと献身の精神を持つ。

意思決定をする際に、NPVがプラスだからOKとか、経済学的な理論に照らしても正しいだとか、そんな頭でっかちな事ばかりをしていたら信頼や信用はついてこない。勿論、勝つ為にはそういった視点も大事だが、もっと大事な事がある。

それは、確りとした常識や規範といったものだ。

え、そんなこといちいち学ぶ必要があるのか?と思うかもしれない。

でも、

自分の常識は、社会の非常識。
自分の中の規範は、社会にとっては違反かもしれない。

この前提に立ち、日頃から多様且つ一流の考えに触れ、自分自身の感性を磨いていく必要がある。

MBAのコースワークをただ単に真面目にやってたら、こういう視点はむしろ見失ってしまうことかもしれない。

これは、よくMBAホルダーが頭でっかちだと言われる一因だと思う。

アメリカ人の合理主義に触れてみて、それも経営には有効だと思う一方で、論語や武士道において語られている、自分が日本人として当たり前だと思っていたメンタリティとの違いにもよく気がつく様になった。

日本人には合理主義を超えた、徳や仁を重視する精神性が身につけられていると思っている。

(一方で、私の世代含めて、失われた20年の間に、そうした精神性が我々の日常生活から薄れていってしまっていることが非常に大きな問題だとも思う)

MBAでの生活で得た、異文化でも自分をぶつけて行ける度胸に加えて、

リーダーとして最も重要となる上記で述べた様なメンタリティを更に洗練させたいと思う。