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2016年3月8日火曜日

Managerial Control System



Thomas Fields教授の人気授業。戦略を遂行していく際、組織自体や人的資源をどのように統制し目標達成に導いていくかについて考察する科目。

組織や人的資源をマネージする為の4つのシステム(概念)
Belief System:企業として大切にする価値を従業員と共有する仕組み。Mission Statement Credo、研修や教育など。
Boundary System:良いことと悪いことの境目を定める、遵守させる。予算コントロール、コンプライアンス、第三者による監査など。

Diagnostic System:動機付けに繋がる様々なパフォーマンス指標の管理。業績目標設定、目標達成時の報酬、目標未達時のペナルティなど。

Interactive System:組織における学習を促す仕組み、気づきを得る機会を提供すること。上司と部下間の面談など。

上記4つのシステムを、各企業の文化や成長ステージに合わせて、組み合わせていく必要がある。ベストの組合せは無く、企業の特性や成長ステージによって異なる。



戦略遂行に資する目標設定方法

企業全体のゴールと組織やチームのゴールのベクトルを一致させる。

それをフォローする為に最適な指標は何か検討する(利益、効率性、顧客サービスレベルなど)。また、選択した指標を評価するサイクルや及第点の水準を定める。

最後に、達成時の報酬などを定める。以上の一連のステップを経て、企業の戦略に即した各人の目標を定めることが出来る。これは極めて当たり前のプロセスであるが、目標値の設定に当たり、以下の3点を比較 しながら、何がベストか検証する必要がある。

Sensitivity:目標達成時の報酬の度合い。Sensitivity が高いということは、目標達成 した人が、多くの報酬をもらえることを意味する。

Precision:各従業員の貢献をどこまで正確に評価するか。Precision が高いというこ とは、なるべく多くの角度から従業員を評価することを意味する。


Congruity:Sensitivity Precision を検討した後で、各人の目標値と企業全体のゴー ルとの結びつきの度合いを確認するもの。当然に Congruity は高いほど望ましい。 一方で、Sensitivity Precision については、ケースバイケースであり、それぞれの 項目はトレードオフの関係にある。

事例研究
この授業に参加している生徒が、過去の経験をもとに、11ケースずつ内部管理体制の事例を紹介し、クラス全体で共有。


ユニクロ中国の店舗で店長を経験していた学生のケース(当時25才で50名の従業員をマネージしていた)。彼女曰く、授業で習った Belief SystemBoundary SystemDiagnostic SystemInteractive System 4つの概念(上述) の内、ユニクロは Belief System が強すぎると指摘。顧客を大切にする、効率的 な業務運営を心がけるなど、会社として大事にすることは徹底的に教育される一方で、 それを正当に評価する為の Diagnostic System が弱く、従業員のモチベーションが下がる 傾向にあったと分析していた。実際、半年毎に50名の内半数程度が入れ替わるという かなり定着率が低い状況だったとのこと。日本では同調圧力が働きやすく Belief System を強調することだけでもワークするかもしれないが、文化や価値観が異なる中国ではう まくいっていなかったと指摘していた。。。(うーん)