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2014年9月18日木曜日

企業の社会的責任〜なぜ企業は企業として存続していいのか?

秋学期が始まり、予習や課題に忙しくしている毎日です。

唐突なタイトルになりましたが、経営戦略の勉強をしていてふと思った疑問です。

競合との差別化競争を繰り返すも、結局は業界内で大差のないサービスを提供し続ける。結果、業界内の価格競争が激しくなるばかりで、全体として疲弊していく。

圧倒的な差別化や世界が驚く様なサービスを提供出来なければ、顧客はお金を払わない。

MBAの戦略の授業で最初に習ったこと。利益の源泉は、Willingness to Pay(顧客)とCost(企業)の差。

何とか利益を出そうと、新製品を投入したり、コスト削減を経営課題として邁進する。

利益を生み出すことは、企業が企業として責任を果たす一つの形かもしれない。

しかし、本質的な理由は?

そこで手に取った本が、「企業・市場・法」。コースの定理で有名なロナルド・H・コースの著作。

そこで書かれていたこと。経済学の本なのでやや抽象的かもしれないが、、、

「費用を集約して費用負担を合理化することに契約や企業が存在する意義がある」と書かれている。

自分なりに解釈してみると、企業がサービスを提供する事で、人々の生活が改善し、社会全体としてのコストが削減されるならば、その企業の存在する意義があるということ。

前期に受講したアントレの授業での学び。起業の意義は、「これまで世の中に無かった新しい価値を提供し事業として興し、人々の暮らしを豊かにする」こと。

全く別のルートから得た学びだが、この上記の2つはいずれも同じ事を言っていると思う。

起業する時には、アイディアも新しいし、組織も新鮮だからこういう大切なことは忘れない。しかし、企業が成熟していていくと、多くの企業やそこで働く人が目の前の課題ばかりを解決する事に必死になるから、どうしてもこういう視点が見失われる。

そんなことを考えながら、今、私は、Management and Corporate Responsibilityという授業を受講している。

これまでの所、GMのリコール問題、Whole Foodsのデトロイト進出、J&Jのタイレノール事件、ファーガソンにおけるEmersonの果たすべき責任などを扱っている。いずれも企業にとって重要なターニングポイントを題材としている。

いずれのケースに共通しているのは、こうした局面は、ステークホルダーがその企業に対してクエッションマークを突きつけている時だということ。そこで企業は自身の存在意義を自問自答する。

ひしひしと感じ、見えてくるのは、企業はいったい何を社会に提供すべきで、どうやって、どこまで責任を果たしていくべきなのかということだ。

授業もまだ数回。総括するのはまたの機会にするが、なぜこの授業を取ったのかという自分の動機を記しておく。