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2015年4月10日金曜日

人材と組織

少人数の学校にも関わらず、オーリンの選択科目は意外と充実していると思います。

大人数の学校では、選択科目を履修する際に抽選という制度があるやに聞いたことがありますが、オーリンではそんなこともなく色々な科目が取りやすいということで、興味の赴くままに受講している自分としては、少人数の良さを日々実感しているところです。


唐突ですが、理論とは現実世界で起こっていることに対して、あるひとつの角度から光を当てているものだと思います。したがって、ひとつを掘り下げつつも、同じテーマについて出来るだけ色々な角度から光を当てることで、理解が深まっていくものだと思っております。


これまで、「人材と組織」に関する授業を何個か継続して履修してきたので、まとめて紹介させて頂きたいと思います。



Economics of Organization / Compensation, Incentives & Organization


組織経済学。ミクロ経済学の理論をベースに企業内の戦略について分析をする科目です。


この科目では、組織形態、Job Design、インセンティブなどのそれぞれのテーマに対して、ミクロ経済学の理論を応用して、いかに生産性や組織能力(ケイパビリティ)を高めるかについて考えていきます。経営戦略論は、ポジションニング論(マイケルポーターの競争戦略で有名)とリソース論に大別されますが、この科目は、競争優位を作る源泉である組織能力にフォーカスするリソース論と同じ領域にあると思います。

理論の解説とケースが3:7くらいで進行していきますが、生徒を引き込む力のあるHamilton教授の授業は、毎回納得感の高い充実した内容です。人気科目の一つです。



Managerial Control System


経営管理システム。この科目のベースとなる考え方は、管理会計です。


立案した経営戦略と実際の企業活動の調和を取り、従業員や組織を目標に向かって動かしていくための方法論を学びます。


例えば、Sensitivity(目標達成時の報酬の度合い)、Precision(各従業員の貢献をどこまで正確に評価するか)、Congruity(各人の目標値と企業全体のゴー ルとの結びつきの度合い)といった視点を組み合わせながら、目標や評価方法を構築していったりします。


バランススコアカードなどの個別の評価手法についても学びます。


理論の解説とケースディスカッションは半分ずつくらいです。



Human Resource Strategy for General Managers


この科目は、上記2つに比べて、より実務的なアプローチで人材戦略について考えます。


経営戦略と人材戦略の結びつきをいかに強めていくかや長期的なリーダーの育成など大きなテーマから、従業員の動機付け、部下とのコミュニケーションといった日常的なテーマまで、人材戦略・育成に関するあらゆることについて、理論とケースを組み合わせながら学んでいきます。


企業視点で人材戦略を俯瞰出来ると同時に、自分が部下を持った時に、いかに行動すべきかやリーダーとしての心得など、個人的な視点でも気づきの多い科目でした。




相互に関連する科目を取ることで、「あー、あれってこういうことだったのか」と思う瞬間が多々あり、理解が深まっていったと思います。